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広報戸田市 2017年6月1日号

かかりやすい病気を知り、早めの健康管理を心掛けましょう! 医療費の現状と国民健康保険財政の都道府県化の取り組み

 医療費の増大は日本全体の社会的な課題となっています。戸田市国民健康保険(戸田市国民健康保険)も同様の状況となっており、これらの課題を解決していくためには、まずは皆さんが健康であることが大切です。今回は、皆さんの健康と医療費がどのように関連しているのか、データを基に説明します。

早い段階の健康管理が大切です!

 病気は、症状が重くなってから治療を開始しても、治りにくいケースが多くあります。また、心身の負担だけでなく、時間や金銭も必要となり、日常生活に悪い影響を与えてしまいます。

 戸田市国民健康保険の医療費データを分析したところ、65歳以上から一人当たりの医療費が急増する傾向にあり、内容としては生活習慣病に関連するものが多くなっています。

 自分の5年後、10年後を見据えて、そのときにかかりやすい病気の傾向を知り、今から健康の維持に努めていきましょう。

年度別医療費の推移

 戸田市国民健康保険の医療費は年々増加しています。被保険者数は減少傾向にありますが、一人当たりの医療費が伸びています。特に、前期高齢者(65歳~74歳)にかかる医療費については、総額及び一人当たり医療費ともに、その伸びが大きくなっています。

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
被保険者数 全体 34,250人 33,924人 33,574人 33,036人 31,857人
前期高齢者 7,770人 8,064人 8,371人 8,498人 8,479人
医療費総額 全体 8,476,931,000円 8,790,836,000円 9,005,008,000円 8,891,628,000円 9,213,988,000円
前期高齢者 3,849,472,000円 4,029,027,000円 4,473,272,000円 4,397,480,000円 4,740,502,000円
一人当医療費 全体 247,501円 259,133円 268,213円 269,149円 289,229円
前期高齢者 495,427円 499,631円 534,377円 517,472円 559,087円

医療費総額や件数の多い疾患

 医療費が多くかかっている疾患は、循環器系の疾患(高血圧、心筋梗塞、脳梗塞等)、新生物(がん)、歯科、腎尿路生殖器系の疾患(腎不全)、精神および行動の疾患、筋骨格系および結合組織の疾患(関節症)、内分泌栄養および代謝疾患(糖尿病)です。

 これらは生活習慣に由来するところが多く、バランスのよい食生活、運動習慣、規則的な生活リズムを実践することで、予防が期待されます。なお、治療中の人は症状を悪化させることのないよう、医師の指示のもとで実践するようにしてください。

医療費が高額になっている疾患の傾向(戸田市国民健康保険)

医療費 件数 1件当たり医療費 100人当たり件数
循環器系の疾患 1,202,114,460円 1位 45,195件 2位 26,598円 11位 143.22件 2位
新生物 1,007,847,490円 2位 8,843件 11位 113,971円 3位 28.02件 11位
歯科 671,787,490円 3位 53,549件 1位 12,545円 17位 169.69件 1位
腎尿路生殖器系の疾患 534,081,350円 4位 7,069件 14位 75,553円 4位 22.40件 14位
精神および行動の障害 493,739,740円 5位 12,523件 9位 39,427円 7位 39.68件 9位
筋骨格系および結合組織の疾患 418,461,210円 6位 21,386件 5位 19,567円 14位 67.77件 5位
内分泌、栄養および代謝疾患 402,508,840円 7位 22,117件 4位 18,199円 15位 70.09件 4位
その他の疾患(13分類) 2,379,613,120円 117,200件 20,304円 371.39件
合計 7,110,153,700円 287,882件 24,698円 912.26件

(注釈)2016年1月~12月診察分のデータです

(注釈)国民健康保険被保険者の医療費について国民健康保険連データベースより抽出。調剤費約20億円は反映されてません

(注釈)100人当たり受診頻度については、被保険者数平均31,557人で計算しています

データに表れる疾患(病気やけが)の特徴を知って今から対策を

循環器系の疾患

 主に高血圧に関連する疾患です。男女とも45歳を過ぎると受診頻度が高まってきます。心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な症状に発展する可能性があります。塩分のとりすぎに注意しましょう。

腎尿路生殖器系の疾患

 腎不全や生殖器に関連する疾患です。30歳を過ぎると受診頻度が高まってきます。女性の頻度が高いものの、1件当たりの医療費は男性が高く高度な治療を要しています。これには人工透析が含まれることから、特徴として外来の医療費の割合が高くなっています。

新生物

 がんに関連する疾患です。40歳を過ぎると受診頻度が高まってきます。データ上では64歳までは女性の受診頻度が高く、65歳以上では男性の受診頻度が高くなっています。

歯科

 虫歯や歯周病などです。どの年代でも多くなっています。歯磨き習慣など、毎日の生活で改善に取り組みやすい疾患です。

精神および行動の疾患

 精神に関係する疾患です。受診頻度としては30歳~59歳が高く、60歳以上も件数が多くなっています。

内分泌、栄養および代謝疾患

 糖尿病(高血糖)に関連する疾患です。40歳を過ぎると受診頻度が高まってきます。症状が進行すると、人工透析、失明、足の切断など、生活の質に大きな影響を及ぼします。

筋骨格系および結合組織の疾患

 主に関節に関係する疾患です。45歳を過ぎると受診頻度が高まってきます。件数、金額ともに女性に多くなっています。

医療費と国民健康保険財政の関係性

 医療機関を受診すると、保険証の自己負担割合の支払いで受診することができます。自己負担部分以外の金額は、戸田市国民健康保険から医療機関に支払っています。国民健康保険の財源の柱は保険税のため、医療費が増えると保険税負担にも影響します。

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
国民健康保険被保険者数 34,250人 33,924人 33,574人 33,036人 31,857人
保険税調定額 2,932,428,000円 2,895,964,000円 2,978,308,000円 2,843,008,000円 2,794,373,000円
1人当調定額 85,618円 85,366円 88,709円 86,058円 87,716円
国民健康保険財政赤字額 1,017,133,000円 1,567,175,000円 1,425,859,000円 1,610,065,000円 1,711,944,000円
1人当赤字額 29,697円 46,197円 42,469円 48,737円 53,738円

(注釈)決算書データ

国民健康保険のこれから

 医療費の増大による、財政面でのひっ迫は、他の自治体も同様であり、高齢者や収入の少ない人が多いという国民健康保険の構造的な要因でもあります。そこで、2018年度から、財政運営を都道府県化することで財政基盤を強化することが予定されています。

 仕組みとしては、各自治体は医療費水準や所得水準に応じて県に納付金を納めておき、県から医療費の支払いに必要な資金の交付を受け、医療機関にお金を支払っていく流れとなります。納付金の財源としては、保険税収入を充てる形となり、県が示す標準保険税率などを参考に、各自治体で保険税率・額を決めることとなります。

 このため、医療費と保険税の関係性が強くなるとともに、現状での赤字の縮小もしなければならないことから、医療費の抑制に向けて、一人ひとりができることに取り組んでいく必要があります。

家計を助ける健康生活

  • 塩分を減らしましょう(塩分のとりすぎは高血圧の要因になります)
  • タバコは健康を害します(高血圧やがんの要因になります)
  • 過度な飲酒は健康を害します(お酒だけでなく味の濃いおつまみも内臓の負担になります)

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