徐々に肌寒い日が増えて、今後は新型コロナウイルス感染症に加え、インフルエンザにも注意が必要な時期になります。実はインフルエンザワクチンには、麻しんや風しんワクチンで認められているような高い発病予防効果を期待することはできません。しかし、発病後の合併症や重症化を抑えるという、統計上で有意な効果が認められているため、特に基礎疾患のある方や高齢の方が感染した際の重症化予防につながるのです。厚生労働省の報告では、ワクチンを接種せず発病した方のうち60％は、ワクチンを接種していれば発病を防ぐことができたとされています。以上のように、現行のインフルエンザワクチンは、「接種すれば絶対にかからない」というものではありませんが、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化や死亡を阻止することに関しては一定の効果があります。ぜひ、積極的にワクチン接種を行ってください。