ページの先頭です。
広報戸田市 2020年6月号

 食中毒の原因菌として有名な「ボツリヌス菌」は、医療の現場では治療薬として用いられて、わが国では10万人以上の患者がこの薬による治療を受けています。

 特に暑くなり汗をかきやすくなるこの時期、多汗症の方が多くなります。多汗症は必要以上の発汗を生じる疾患で、社会的活動が盛んな若年や中年世代で頻度が高く、わが国では全年齢の有病率が12.8%にもおよぶといわれます。このボツリヌス治療は多汗症の中で、特にわき汗がひどい方(原発性腋えき窩か 多汗症)に対して用いられ、適切に使うと抜群の効果を発揮します。

 ボツリヌス治療はそのほかに、首の周囲の筋肉が異常に緊張して不自然な姿勢をとりがちになる「痙けい性せい斜しゃ頸けい」や、脳卒中後遺症の手足の筋肉のつっぱりやこわばりである「上じょう肢し 痙けい縮しゅく」や「下か肢し痙けい縮しゅく」、顔や目の片側がピクピクする「片側顔面けいれん」、両目を開けているのがつらくなる「眼がん瞼けいけいれん」などの治療に用いられます。

 当院ではボツリヌス治療を行っております。この治療法に興味がある方はお気軽にご相談ください。

戸田市立市民医療センター 所長神経内科 いいじままさかず


お問い合わせ