放課後の学校に元気な声が響きわたる中学校の部活動。仲間とともに思い切り練習に打ち込んだ経験は一生の財産となりますが、一方で教員や生徒の休養不足なども問題になっています。市では、部活動の「量」ではなく「質」を上げるため、独自にスポーツトレーナーなどの強力な“助っ人”を招いて中学校の部活動をサポートする取り組みを始めています。
戸田市部活動に関する6つのルール
- 1.週2日以上オフ
平日1日以上、週末1日以上の休養日を設けます! - 2.活動時間の制限
活動時間は平日2時間以内、週末は4時間程度にします! - 3.朝練を禁止
早朝練習(朝練)は行いません! - 4.活動計画の共有
休養日や活動時間などを示した年間・月間の計画を家庭と共有します! - 5.参加大会の精選
参加する大会は、生徒の健康状態や発達状態などをふまえた範囲内とします! - 6.いじめ・体罰の禁止、安全管理
いじめや体罰の禁止はもちろん、適切な管理により事故防止を徹底します!
(注釈)例外として、校長が定める年4回までの大会やコンクールについては、その開催日の前1カ月間における2週間に限り、ルール1〜3によらず活動できます。ただし、この期間中でも1週間の総活動時間は16時間を上限としています
そこで…限られた時間の中でも、練習の「質」を上げられるよう、専門家を招いて部活動をサポートしています!
部活動指導サポートの様子を紹介します!
こんなことをしています!
週3回、各競技の専門家が技術指導を行います。
練習メニューの作成や部員への技術的なアドバイスのほか、競技未経験の顧問をサポートして指導力の向上や負担の軽減を目指します。
戸田東中学校 女子ソフトテニス部に密着!
- トレーナーがいないときでも私が指導できるような仕組みづくりがありがたい
立尾 彩花先生(顧問)
今年度から新任でこの学校に入り、ソフトテニスも未経験だったので最初は自分で基礎から勉強しました。しかし、技術指導には限界があったので、トレーナーの存在はとてもありがたいです。主に練習メニューの提案やフォーム指導など技術的な面でサポートを受けながら、トレーナーがいなくてもできるよう、指導方法も学ばせてもらっています。子どもたちも「これを意識しながらやってごらん」と教えてもらうことで、目的意識を持って練習に取り組めていると感じます。 - 目標は指導していただいた成果を発揮して県大会出場!
大川 七彩さん(部長)
ラケットの使い方や打ち方など基礎的な部分はもちろん、今までの練習にはなかった技術など、応用的なことまで幅広く指導してもらっているのでとても充実しています。チームに分かれて競い合うゲームなど、新しいメニューも増えてみんなで楽しく練習に励んでいます。これからはトレーナーがいない日でも、教えてもらったことを生かして自分たちで自主性を持って練習に取り組みたいです。指導していただいた成果を発揮して、県大会へ出場するのが目標です! - 目的意識を持って楽しみながら練習に取り組んでもらいたい
内田 吉信さん(指導者(トレーナー)リーフラス株式会社)
指導する上で工夫している点は、練習に目的意識を持って取り組んでもらうことと、練習にゲーム性を持たせることです。勉強もそうですが、部活動も苦しいだけだと続かない。スポーツは遊びの延長線上で、楽しむことが一番だと思うので、それを意識したメニューづくりを行っています。トレーニングに関しても、中学生は筋力を付ける時期としてはベストですが、付け過ぎは成長の妨げにもなってしまうので、その点も考慮しながら体幹トレーニングを中心に行っています。 - 子どもたちと教員の両方にメリットがある、非常にありがたい制度です
鈴木 研二先生(校長)
今、教員の働き方が社会問題になっていますが、教員は熱心だから、たとえ自分の生活が犠牲になっても子どもたちのために一生懸命なんです。だから校長としては、その思いをくみながら少しでも負担を軽くしたいと思っています。学校の部活動はスポーツクラブのように技術を教えるだけでなく、チームプレーの大切さや集団の中での思いやりなど、人間教育の一環でもあります。それを一人の顧問が全て受け持つのは大変なので、技術指導のプロのサポートを受けながら、顧問と二人三脚で指導をしてもらっています。このような制度がもっと広まれば教員の負担も減り、子どもたちにとってもよい部活動のあり方ができていくのではないかと思います。