先生たちの働き方改革 子どもたちのよりよい教育のために 小学・中学校教員の仕事を考える
学習指導のみならず、児童・生徒の状況を教員が総合的に指導する「日本型学校教育」は国際的に高く評価されています。一方で、学校の抱える問題は、より複雑化・困難化しており、学校に求められる役割は増大しています。教員の負担を適正にすることで、児童・生徒がより健やかに学べる環境が整います。
小学校教員の一日の勤務実態(例)
2016年度 教員勤務実態調査結果より
定められている勤務開始・終了時刻 | 午前8時15分~午後4時45分 |
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出勤・退勤時刻の平均 | 午前7時30分~午後7時1分 |
1日当たりの学内平均勤務時間 | 11時間15分 |
(注釈)2018年9月27日 教員勤務実態調査(2016年度)の分析結果及び確定値の公表について(概要)より一部抜粋
上記はあくまで、平均的な時間を表しています。次のように、休憩時間や勤務時間外にも多くの仕事をしているのが実情です。
授業以外の勤務時間中の仕事
休み時間の仕事
- ノートの丸付け
- 提出物の確認
- 外遊びをする
- 次の授業の準備
- 学年の打ち合わせ
- 電話対応 など
会議
- 職員会議
- 企画運営委員会
- 学年会
- 校内研修
- 教科部会 など
勤務時間外の仕事
事務処理
- 調査結果の集計
- PTA関係書類整理
- 物品発注
- 諸表簿の整理 など
会議資料作成
- 会議の運営
- 外部との調整
- 備品の確認
- 計画作成 など
教育研究
授業の質に関わる大切な時間です。その時間の確保が、勤務時間中にできなくなっています。
教員は、“子どもたちのために”を合言葉に、取り組んでいます。 しかし、学校はたくさんの業務を抱え込み、多忙を極めており、「過労死ライン」とされる月80時間を超える時間外業務を行っている教員が多数います。
市の取り組み
市では、教員が業務の質的転換を図り、限られた時間の中で児童・生徒に接する時間を十分に確保し、教員の日々の生活の質や教職人生を豊かにすることを目的に、働き方改革を進めています。
国の「学校における働き方改革に関する緊急対策」と市教育委員会の取り組み
「学校における働き方改革に関する緊急対策」抜粋 | 市教育委員会の取り組み |
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1 業務の役割分担・適正化を着実に実行するための方策 | |
コミュニティ・スクールや地域学校協働活動などを通じた学校教育の質の向上および学校支援の充実 | 2018年4月から、全小学・中学校にコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)を導入 |
専門スタッフに任せる業務を明確化し、教員と連携しながら、人材の積極的な参画を促進 | スクール・カウンセラー、日本語指導員や教育心理専門員、スクールソーシャルワーカーによる一人一人の多様なニーズに応じた教育相談体制の充実 |
運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインを作成 | 2017年10月に「戸田市部活動の在り方検討委員会」を設置し、2018年7月に「戸田市部活動方針」を策定 |
2 学校が作成する計画等・組織運営に関する見直し | |
学校が作成する計画等・組織運営に関する見直し |
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3 勤務時間に関する意識改革と時間外勤務の抑制のための必要な措置 | |
勤務時間管理の徹底、適正な勤務時間の設定 | ICカードによる出退勤管理ソフトの導入、留守番電話機能の設置 |
長期休業期間に年次有給休暇を確保できるように一定期間の学校閉庁日の設定 | 2017年度から、8月11日~16日を学校閉庁日に設定 |
4「学校における働き方改革」の実現に向けた環境整備 | |
「学校における働き方改革」の実現に必要な環境整備のため、必要な予算の確保に努める |
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保護者・地域の皆さんへのお願い
市では全国に先駆け、教員一人一人が教職にやりがいを持ち、毎日子どもたちの前で生き生きと教壇に立てるよう、
- ICT機器や統合型校務支援システムの導入
- 部活動の在り方の検討
- 学校閉庁日の設定
- 留守番電話機能の設置
などの業務の効率化、教員の負担軽減に取り組んでいます。この改革を進めるには、保護者や地域の皆さんの理解が不可欠です。
今後とも、学校における働き方改革を進めていくため、保護者や地域の皆さんのご理解とご協力をお願いします。