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広報戸田市 2017年12月1日号

  ボツリヌス菌は食中毒の原因菌として有名ですが、医療の現場では治療薬として用いられていることをご存知ですか。ボツリヌス菌がつくりだすたんぱく質を筋肉に注射すると、その筋肉がゆるみ、緊張やけいれんを抑えることができます。この作用を用いて、脳卒中後遺症の手足の筋肉のつっぱりやこわばり、顔や目の片側がピクピクする「片側顔面けいれん」などの治療を行います。

 そのほか、ボツリヌス治療は首の周囲の筋肉が異常に緊張して不自然な姿勢をとりがちになる「痙性斜頸」や、わきの下に過剰な汗をかく「腋窩多汗症」などの治療にも用いられます。私の経験からは、特に「片側顔面けいれん」や「腋窩多汗症」には抜群の効果を発揮すると感じています。当院ではボツリヌス治療を行っていますので、興味がある人はお気軽にご相談ください。

市民医療センター 所長 神経内科 飯島 昌一


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