イケチョウ貝による水質浄化活動
掲載日:2019年6月28日更新
ボートコースの水をきれいに!イケチョウ貝による水質浄化活動
日本唯一の静水コースである「戸田ボートコース」。全国のボート競技者にとって憧れの聖地となっていますが、近年は水質の悪化が課題となっています。
そこで、市は埼玉県ボート協会や埼玉大学などと協力してイケチョウ貝による水質浄化活動に取り組んでいます。
そこで、市は埼玉県ボート協会や埼玉大学などと協力してイケチョウ貝による水質浄化活動に取り組んでいます。
戸田ボートコースの水質
戸田ボートコースは雨水や湧水によって貯水され、1964年の東京オリンピックの開催から現在まで一度も水の入れ替えを行っておりません。
そのため、水質の悪化が進んでいると考えられ、夏季にはアオコの発生による悪臭など、水質の浄化が課題となっています。
そのため、水質の悪化が進んでいると考えられ、夏季にはアオコの発生による悪臭など、水質の浄化が課題となっています。
水をきれいにするイケチョウ貝に注目
埼玉県ボート協会では、プランクトンなどを食べ水質浄化に効果があるとされるイケチョウ貝に注目。実証実験を経て、国立大学法人埼玉大学科学分析支援センターと協力して浄化実験を行い、水の濁度が低減することを確認しました。
この取り組みをさらに広げるため、「戸田ボートコース水質浄化実行委員会」を設立し、現在も活動が続いています。
この取り組みをさらに広げるため、「戸田ボートコース水質浄化実行委員会」を設立し、現在も活動が続いています。
イケチョウ貝からは真珠が採れます
ボートコースに投入しているイケチョウ貝からは、色彩豊かな淡水産真珠を採取することができます。
真珠の採取には、時間がかかりますが、戸田ボートコース水質浄化実行委員会では、この真珠を利用して、キーホルダーやピアスなどを作成するアクセサリー教室を開催し、戸田産真珠のPR活動を行っています。
(注釈)アクセサリー教室は、毎年2~3月に1回のみ行っています。
真珠の採取には、時間がかかりますが、戸田ボートコース水質浄化実行委員会では、この真珠を利用して、キーホルダーやピアスなどを作成するアクセサリー教室を開催し、戸田産真珠のPR活動を行っています。
(注釈)アクセサリー教室は、毎年2~3月に1回のみ行っています。
PR用のパンフレットを作りました
2015年12月にPR用のパンフレットを改訂しました!
ボートコースの水質に関する濁度の経年変化がわかるグラフも載せています。ぜひご覧ください。
(注釈)パンフレットは戸田市役所環境課窓口などで配布しています。ご自由にお持ち帰りいただけます。
ボートコースの水質に関する濁度の経年変化がわかるグラフも載せています。ぜひご覧ください。
(注釈)パンフレットは戸田市役所環境課窓口などで配布しています。ご自由にお持ち帰りいただけます。

戸田ボートコース水質浄化実行委員会「戸田ボートコースの水をきれいに」
戸田ボートコースは、1964年の東京オリンピックのボート競技会場で、雨水や湧き水によって貯水された日本唯一の静水コースです。
都市化の進展が著しい戸田市にとって、戸田ボートコースは、潤いと安らぎを与えてくれる都市空間のオアシスとなっています。また、ボート競技者にとっては、「一度は漕いでみたい」という憧れの聖地となっています。
都市化の進展が著しい戸田市にとって、戸田ボートコースは、潤いと安らぎを与えてくれる都市空間のオアシスとなっています。また、ボート競技者にとっては、「一度は漕いでみたい」という憧れの聖地となっています。
近年の水質の悪化
残念なことに、戸田ボートコースは近年、水質の悪化が進み、市民やボート競技者から、水質の改善が求められています。
イケチョウ貝とは
軟体動物門、二枚貝綱、イシガイ目、イシガイ科に属する琵琶湖淀川水系の固有種の二枚貝で、水深20センチメートルまでの砂泥から軟泥底に多く生息し、日本の淡水に生息する貝としては最大級(殻長約25センチメートル)です。成長が早ければ2年(殻長5センチメートル以上)で性成熟に達し、最大寿命は約40年に達します。妊卵期は5月から7月で、放出された幼生は底生魚に寄生します。
また、淡水産真珠の母貝として使われ、当初は琵琶湖水系だけに生息していました。その後、真珠養殖のために茨城県の霞ケ浦に移植されましたが、真珠養殖も途絶え、また乱獲や生息環境の悪化により、成長や繁殖力の低下が起こりました。そのため、個体群密度が急激に低下し、現在個体数は極めて少なくなりました。このことから、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧一種に分類されています。
また、淡水産真珠の母貝として使われ、当初は琵琶湖水系だけに生息していました。その後、真珠養殖のために茨城県の霞ケ浦に移植されましたが、真珠養殖も途絶え、また乱獲や生息環境の悪化により、成長や繁殖力の低下が起こりました。そのため、個体群密度が急激に低下し、現在個体数は極めて少なくなりました。このことから、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧一種に分類されています。
イケチョウ貝の魅力その1「水をきれいにする」
国立大学法人埼玉大学科学分析支援センターの協力を受け、イケチョウ貝の水質浄化能力を化学的、生物学的に分析しました。戸田ボートコースの水3リットルに総重量150グラムのイケチョウ貝を投入し、濁度の変化を観察する水槽実験を行い、濁度が低減することがわかりました。また、実験後の水のクロロフィル量も減少していることから、水の濁りの原因一つとされるプランクトンをろ過していることもわかりました。
これらの結果から、100グラムのイケチョウ貝1個が、水温15度から25度の場合、1時間に約300ミリリットルの水をろ過することがわかりました。
これらの結果から、100グラムのイケチョウ貝1個が、水温15度から25度の場合、1時間に約300ミリリットルの水をろ過することがわかりました。
イケチョウ貝の魅力その2「真珠が採れる」
イケチョウ貝は、外とう膜というイケチョウ貝の一部を切り取って殻の中に入れると、それを核として色彩豊かな淡水産真珠をつくります。
戸田産真珠のアクセサリー
この真珠を活用した「アクセサリー教室」を開催し、ピアスや携帯電話に取り付けるストラップなどを作成しています。
イケチョウ貝による水質浄化活動
戸田ボートコースの水質改善に向け、埼玉県ボート協会は、経費や生態系への影響も少なく、水質浄化に効果があるイケチョウ貝を活用した水質浄化活動に取り組んできました。
この取組をさらに広げるため、2010年3月に「戸田ボートコース水質浄化実行委員会」が設立されました。
この取組をさらに広げるため、2010年3月に「戸田ボートコース水質浄化実行委員会」が設立されました。
きれいな水を目指して
戸田市にとって、重要な地域資源といえる「戸田ボートコース」。
市民に親しまれ、ボート競技者に愛されるよう、戸田ボートコース水質浄化実行委員会では、今後も、イケチョウ貝を活用した水質浄化活動を積極的に進めていきます。
市民に親しまれ、ボート競技者に愛されるよう、戸田ボートコース水質浄化実行委員会では、今後も、イケチョウ貝を活用した水質浄化活動を積極的に進めていきます。
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