環境は足元から第219号
環境は足元から
2022年9月号(第219号)
「環境は足元から」は、環境課が発行する情報誌です。
「環境とわたし」というテーマのもと、市役所職員それぞれの環境への想いや取組について書いた記事を掲載しています。
夏の暑さ雑感
ここ数年、猛暑の中で白球を追う甲子園球児に対し、テレビ画面越しに畏怖の念を抱くようにすらなったのは、一昔前と比べ、夏の暑さが明らかに増しているからだろう。
最高気温が40度近くになることも珍しくない暑さを体感することで、その対策が叫ばれて久しい地球温暖化をよりリアルなものとして捉えるようになった。
さて、先日、紙ごみ等の異物混入を防ぐために、ペットボトル以外のものが入れづらい形状になっているリサイクルボックスを見かけた。
リサイクルがエネルギー消費量の削減に寄与するとはいえ、このリサイクルボックスの活用は、地球温暖化の対策としては些細なものかも知れない。
しかし、ペットボトルを捨てるというような極めて日常的な行動の中でも、私たち一人ひとりがその都度環境配慮の意識を持つことが、結局のところ、最も有効な対策になり得るのではないかと、大粒の汗を拭いながら思う私であった。
(保険年金課 A.K)
水資源と消火
日本に暮らしているとさほど深刻に感じることはありませんが、現在世界的に水不足と言われており、水についてSDGsの目標にも掲げられています。今回は、大事な資源である水と消防の仕事である消火についてお話します。
みなさんご存じのとおり、火災が起きた時には消防車から水を出して消火をします。そして消火に使用する水の量は膨大で、火災の規模にもよりますが何十万リットルもの水を使うこともあります。
しかし最近は、圧縮空気を含んだ泡で消火する方法の活用が進んでいます。泡を使って消火することで、約8倍の効率で消火できて無駄な水も1/5程度に減らすことができると言われています。つまり節水しながら効率的に消火することができるのです。すべての火災で泡の消火が活用できるわけではありませんが、消防技術の進歩も水資源の有効活用に一役買っているのです。
そして、泡と聞いて水質汚染を心配される方もいるかもしれませんが、大量の泡を使っているように見えてもスプーン何杯かのマヨネーズを流したのと同じくらいで環境負荷は非常に少ないとされています。
(西部分署 T.E)
あとがき
水不足について言及がありましたが、世界では水不足は喫緊の課題です。
例えば、水不足によって農業は大きな打撃を受けます。今月だけでも、水不足による休耕で、アメリカではトマト缶の値段が高騰し、イタリアではオリーブオイルの収穫量が大幅に減っているというニュースがありました。
日本ではインフラ設備が充実しているため、水不足を感じる機会は少ないですが、乾燥地帯や発展途上国では、日常生活に不便を感じるほどの水不足が現実として起こっています。
日本は食料品を他国からの輸入に頼っているため、他国の水不足は、潜在的な日本の水不足であると言えます。
作物や畜産物の生産には大量の水が必要であり、他国にその水を肩代わりしてもらっているからこそ、日本では水不足を感じることなく過ごせているわけです。
オリーブオイルもトマトも高額になってしまうと、未来の地球ではパスタが嗜好品になっているかもしれないですね。