戸田市は、2016年10月に発表された学校のICT環境の整備率や教員の授業へのICT活用力などを数値化した「全国市区町村公立学校情報化ランキング2016」(日経BP社)で県内1位となりました。
2016年夏には、市内全小学・中学校にタブレットパソコンを導入するとともに、全教室に高速無線LANも整備しました。
2016年度の学力調査の結果では、戸田市は県内トップクラスとなりましたが、今後、ICTの活用により授業が活性化し、とだっ子のさらなる学力の向上が期待されます。今回は戸田市のICT教育の取り組みについてご紹介します。
21世紀型スキルの育成(プレゼンテーション大会)
これからの時代を生き抜くために必要な21世紀型スキルのうち、特に自己表現力を育成することを目的として、2016年度から小学・中学校の代表者によるプレゼンテーション大会を開催しています。子供たちは、大会のテーマである「戸田市のよさ」について考え、調べたことを5分間のスピーチにまとめました。それをどうやって伝えるかを考え、ICT機器を巧みに操ることで、表現力豊かな発表を行いました。
新しい学び・プログラミング教育の推進
市では、国が2020年に学校教育に導入予定のプログラミング教育にも他の自治体に先駆けて取り組んでいます。その一つとして、ロボットを使った授業では、ロボットにあらかじめボタンで「進む」「曲がる」などの命令を入力し、スタートボタンで動かしたときに、それが自分の考えたとおりに動いているかを体験的に学びます。このような体験を通して、「プログラミング的思考」と呼ばれる論理的に考える力を育てます。
スロー動画でポイント確認(戸田第二小学校)
- 跳び箱の技をタブレットで動画撮影
- 撮影した動画をみんなで確認
先生からひと言
戸田第二小学校教諭 和田 翔太さん
これまで子供たちは友達の技の課題を言葉だけで伝えていたため、アドバイスされたことが理解できていない様子が見られました。タブレットパソコンを使うと、撮影した動画を画面上で実際に見ながら友達と意見交換ができるので、技のポイントをより深く理解できるようになっています。
みんなの意見を瞬時に共有(戸田中学校)
- 班の意見をタブレットに入力
- 各班の意見を見ながら話し合い
先生からひと言
戸田中学校教諭(理科) 永井 崇さん
タブレットパソコンを使うと、各班の実験結果や考えをすぐに共有することができるので、生徒が結果を比べやすくなり、活発に議論する姿が今まで以上に見られるようになりました。特に協調学習などのアクティブ・ラーニングで活用しています。
実感しながら学ぶ特別支援学級(喜沢小学校)
- 描いた絵が画面の中で動き出す!
先生からひと言
喜沢小学校教諭 岡田 悦子さん
子供たちの「やってみたい!」「楽しい!」「できた!」を引き出すために、ICTはとても効果的です。ICTの活用で一人一人に応じた学びを支援しやすくなるので、子供たちのできることが増え、それが自信につながっています。
戸田市長 神保 国男
社会では目覚ましい通信技術の発達やグローバル化の進展から、子供たちを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。このような多様化した時代を生き抜く資質・能力を育成することが教育に求められており、その土台づくりとして学校のICT環境の整備が重要です。とだっ子たちの健やかな成長のため、教育を未来への投資と位置づけ、これからも将来を見据えた先進的な教育活動を進めていきます。