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情報公開審査会答申第4号

掲載日:2014年9月4日更新

諮問第4号

答申

1 審査会の結論

 2001年(平成13年)2月22日に戸田市長 神保 国男(以下「市」という。)が異議申立人に対して行った、2001年度(平成13年度)から実施が予定されている公立保育園給食の民間委託に関する下記の文書の情報公開請求についていずれも非公開とした決定(以下「本件非公開決定」という。)は、不当であり、取り消されるべきものであって、審査会としては、市が別紙目録記載の文書を公開すべきと思料する。

ア 給食民間委託を決定承認した文書(民間委託の必要性、その対象を保育園給食とした理由、他の仕事についても委託方式を検討したか等がわかる文書が別にあればこれも含む)(以下「請求文書1」という。)

イ 委託に関する契約書・仕様書案(給食設備を有償貸与するのであれば、その契約書等を含む)(現時点のもの)(以下「請求文書2」という。)ウ 業者の選定に関する以下の文書(現時点)(以下「請求文書3」という。)

(1) 選定の方法を決定した文書、業者に対する説明文書、選定のスケジュール等に関する文書(以下「請求文書3(1)」という。)

(2) 具体的に候補となっている業者に関する資料(会社の概要、実績のわかるもの)(以下「請求文書3(2)」という。)

エ 園長が他の自治体の給食民間委託方式を視察に行った際の報告書すべて(以下「請求文書4」という。)

オ 違法性の問題について関係機関と協議した際の面談記録、報告書のすべて(上記協議の結果、違法の問題がないとの判断を下した文書が別にあれば、これを含む)(以下「請求文書5」という。)

カ 民間委託にかかる費用についての文書(以下「請求文書6」という。)

(1) 2000年度(平成12年度)度・2001年度(平成13年度)度予算見積書(以下「請求文書6(1)」という。)

(2) 職員を雇用する場合と委託の場合との財政負担を比較検討した文書(以下「請求文書6(2)」という。)

キ 実施園3園を決定した根拠のわかる文書(以下「請求文書7」という。)

2 異議申立の趣旨及び経過

(1) 異議申立の趣旨

 本件異議申立ての趣旨は、2001年(平成13年)2月22日付けで市が異議申立て人に行った本件非公開決定の取消しを求めるというものである。

(2) 異議申立の経過

ア 2001年(平成13年)2月9日、異議申立人は、市に対して、戸田市情報公開条例(以下「条例」という。)第6条の規定により、2001年度(平成13年度)から実施が予定されている公立保育園給食の民間委託に関して、請求文書1から7に該当するものの情報公開請求を行った。

イ 2001年(平成13年)2月22日、市は、上記請求に対して、現在3月定例市議会において民間委託の問題について審議が行われており、現在保有する情報は「意思決定過程における未成熟情報」であること、特に、請求文書1、4及び5は人事情報であること、請求文書2及び6については契約前であること、請求文書3については公正かつ適正な事務執行に支障をきたすおそれがあること、また法人情報であること、請求文書4及び5は意思決定過程における参考情報であること等を理由として請求文書1、3(2)及び6(1)については条例第8条4号及び5号、請求文書2、5、6(2)及び7については、条例第8条4号、請求文書3(2)については条例第8条2号、4号及び5号に基づいて、本件非公開決定を行った。なお、市は、当初、請求文書6(2)については、不存在であることを理由として本件非公開決定を行ったが、その後文書の存在が判明したことから、同年3月8日に行われた市の意見陳述において、この理由は条例第8条4号の非公開事由に該当する旨訂正された。

 この決定通知書は、2001年(平成13年)2月23日に異議申立人に送達された。

ウ 2001年(平成13年)2月26日、異議申立人は、本件非公開決定について、これを不服として、条例第16条に基づき、市に対して異議申立てを行った。また、異議申立人は、同年3月5日付けの異議申立理由書を作成し、翌6日に市に提出した。

3 異議申立人及び市の主張の要旨

(1) 異議申立人の主張の要旨

 異議申立人の異議申立書、異議申立理由書及び意見陳述による主張の要旨は、次の通りである。

ア 情報公開を請求した趣旨及び公開を求めた情報

 異議申立人は、二男を戸田市立上戸田南保育園に通わせている保護者であって、2000年度(平成12年度)度、同保育園保護者会総会で戸田市公立保育園保護者会連絡協議会担当の役員に選出され、保育行政について保護者の要望を取りまとめて市に申し入れを行うなどの活動を行っていたところ、2000年度(平成12年度)夏頃、2001年度(平成13年度)から公立保育園の給食調理業務が民間委託化される計画があることを知り、保育園給食の質の低下を懸念し、保育園給食の民間委託の賛否を問うアンケートの実施、民間委託の撤回を求める陳情署名活動などに関わっていた。そして、2001年(平成13年)1月9日付けで、公立保育園の全保護者に宛てて、市長名による「公立保育園の給食調理業務委託について(お知らせ)」(以下「『お知らせ』」という。)と題する文書が配布されたが、そのなかに「下記の内容で実施します」との表現が用いられており、実施園、実施方法、委託に関する条件等の記載があるなどしたために、異議申立人は、民間委託に関する正確な情報が開示されないままで議会での審議が行われるのではないかという疑問をもち、情報公開請求を行ったものであり、公開を請求した情報も、以上の趣旨に基づくものである。なお、異議申立人は、情報公開請求を行うに際して、2001年(平成13年)2月9日に、戸田市庶務課職員3名の立ち会いのもとに、担当課である人事課及び児童福祉課の職員各2名に対して、公開を請求する趣旨と公開を求める情報について説明を行った。

イ 本件非公開決定が不当であるとする理由

(1) 請求文書1については、市が『お知らせ』に「実施いたします」と記載している以上、条例第8条第4号に該当しない。また、公開を求めた情報は、「委託を決定承認した文書」であり、特定の業者に委託する決定をした文書ではない。

(2) 請求文書2については、「案」の公開を求めたものであり、現実の契約の締結とは直接に関係はない。仕様書「案」は、少なくとも2001年(平成13年)1月9日時点で作成され、市立保育園の各園長に配布されており、行政側が民間委託方式を前提とした予算案を市議会に提案するまでに至った以上、すでに仕様書「案」の重要な部分の審議、検討は完了しているはずであって、条例第8条第4号には該当しない。また、仮に同号に該当するとしても、請求文書2は、公立保育園の給食の質という市民的関心の極めて高い事項を民主的に検討する上で必要不可欠な文書であり、これらを「公開することにより、公正又は適正な意思決定に著しい支障が生ずると明らかに認められるもの」に該当しない。

(3) 請求文書3については、未成熟な情報とする理由に具体性がない。特に、請求文書3(1)については、児童福祉課課長が2000年度(平成12年度)10月に業者説明会を行った旨を保護者に話しているから、少なくとも過去の説明文書はあるはずであって、これを公開しても弊害はない。また、請求文書3(2)については、『お知らせ』に運営実績のある業者に委託する旨の記載があるため、保育園給食の実績のある業者がどの程度いるかについての情報を求めているのであり、これを公開しても弊害はない。さらに、請求文書3(2)については、当該業者が自己をPRする際に用いる会社概要程度の資料を要求したのであり、条例第8条第2号に該当しない。

(4) 請求文書4については、市立保育園の園長が2000年度(平成12年度)秋から2001年(平成13年)1月頃にかけて複数の地方公共団体を視察し、報告書を提出したことは過去の周知の事実であり、条例第8条第4号に該当しない。仮に同号の問題となりうるとしても、民間委託が実施された他の地方公共団体において保育園給食業務がどのような方法で行われているかは、民間委託の是非を議論する上での重要な情報であるから、「公開することにより、公正又は適正な意思決定に著しい支障が生ずると明らかに認められるもの」に該当しない。

(5) 請求文書5については、すでに関係機関と協議した事実があり、その際の記録が作成されたのだとすれば、条例第8条第4号に該当しない。仮に同号の問題になりうるとしても、『お知らせ』には「調理委託に際し一部違法性の指摘がありますが、関係機関と確認をしながら事務を進めており、実施にあたっての法律などの障害はないものと考えています」と記載されていることから、請求文書5はその根拠となる重要な情報であるから、「公開することにより、公正又は適正な意思決定に著しい支障が生ずると明らかに認められるもの」に該当しない。

(6) 請求文書6(1)については、さでに作成が完了している文書であることは明らかであり、条例第8条4号に該当しない。さらに、同条5号の該当性については、入札への影響が問題になるとしても、どのような具体的支障が生じるのかが明確にされていない。請求文書6(2)については、『お知らせ』には「財政的負担のかからない方法」と記載されていることから、極めて重要な情報であって、これを公開せずに予算審議を行うことは不可能である。

(2) 市の主張の要旨

 市の情報非公開等決定通知書、請求拒否理由説明書、情報公開等決定不服申立事案諮問書及び意見陳述による主張の要旨は、次の通りである。

ア 少子化対策臨時特例交付金をめぐる経緯

 少子化対策臨時特例交付金をめぐる経緯は、別紙「少子化対策臨時特例交付金に係る経過」に記載のとおりである。

ア 本件非公開決定を正当とする理由

(1) 条例第8条第4号に該当する。

 件非公開決定にかかる情報は、「2001年度(平成13年度)から実施が予定されている公立保育園給食の民間委託に関する情報」であるが、議会の審議を経て内容が確定するものであり、その間においては、審議の中で是正等がなされるものもあるところ、戸田市議会2000年度(平成12年度)度3月定例会に予算案を提出し、審議が行われており、本号に該当する実施機関内部の意思決定過程における情報である。まず、異議申立人の公開請求の時点においては、一応、市の方針が決定していたに過ぎず、調理委託を受託するべき民間業者を決定し、契約を締結していたわけではない。例えば、請求文書2及び3(1)については、その内容が明確に決定されたわけではなく、実際にも公開請求後に内容に変更があった。同様に、請求文書7についても、実施園が変更される可能性があった。このような未成熟な情報を公開すれば、公立保育園給食の民間委託が悪いものであるといったような短絡的な意見を助長するなど、市民等に誤解等を与え、公正かつ適正な意思決定に著しい支障を生ずるおそれがある。さらに、本件非公開決定にかかる情報には、意思決定過程における参考情報も含まれている。例えば、請求文書4については、公開することにより、今後、視察先の地方公共団体から十分な資料が得られなくなると認められる情報であって、また、公開することにより、視察者の自由で十分な意見交換等が妨げられるおそれがあると認められる情報でもある。このことは、請求文書5も同様である。

(2) 条例第8条第5号に該当する。

(1)で前述したように、異議申立人の公開請求の時点においては、一応、市の方針が決定していたに過ぎず、調理委託を受託するべき民間業者を決定し、契約を締結していたわけではないため、例えば、請求文書3は、公開することにより、契約の締結に際して、特定の者に不当な利益を与えたり、市民全体の利益を損なうなど、公正かつ適正な事務事業の執行に著しい支障をきたすおそれがあると認められる。このことは、請求文書6(1)も同様である。さらに、本件非公開決定にかかる情報には、人事情報も含まれている。請求文書1は、職員の定員及び配置に関する情報であり、また、請求文書4については、公開することによって他の地方公共団体への視察員及びその役職が明らかとなるため、当該事務事業の公正かつ適正な執行を著しく困難にするおそれがあると認められる情報である。

(3) 条例第8条第2号に該当する。

 請求文書3(2)は、法人情報であり、公開することにより、公立保育園給食の民間委託の候補となっている業者の競争上若しくは事業運営上の地位に著しい不利益を与えるおそれがある。

4 審査会の判断

 審査会は、異議申立人及び市の主張、審査会における戸田市人事課及び児童福祉課の陳述並びに両課より提出された関連文書を検討した結果、以下の理由によって、「1 審査会の結論」欄記載の通りの結論に達した。

(1) 審査の対象となる情報

 異議申立人の情報公開請求にかかる情報は、「2001年度(平成13年度)から実施が予定されている公立保育園給食の民間委託に関する情報」であり、異議申立人の公開請求の趣旨から、具体的には請求文書1から7に該当する以下の(1)から(11)ものと判断する。

(1) 「戸田市定員適正化計画の策定について」と題する文書(2000年度(平成12年度)度戸田市情報公開審査会諮問第1号関係資料(以下「資料」という。)1)

(2) 「資料要求に対する回答について」と題する文書(資料2)

(3) 「『保育園給食の委託化』に関する埼玉県健康福祉部こども家庭課との事務打合せについて」と題する文書(資料3)

(4) 「保育所給食業務委託に関する行政視察の結果報告及び今後の方針について」と題する文書(資料4)

(5) 「市立保育園給食調理業務委託に伴う見積もり徴収について」と題する文書(資料5)

(6) 「保育園給食にかかる経費比較(見込み)」と題する文書(資料6)

(7) 「保育所調理業務委託の実施について」と題する文書(資料7)

(8) 「『保育所調理業務の委託化』に関する○○○立○○○○保育園視察について」と題する文書(資料8) なお、資料8の標題は、後述のように、視察先の地方公共団体名を明らかにすることとなるために、公開することにより相手方との信頼関係を損ない、今後、十分な資料が得られなくなるおそれがあると認められる情報であって、条例第8条第4号に該当し、非公開とすべきものと思料する。

(9) 「保育園給食調理業務委託の実施園について」と題する文書(資料9)

(10) 「『保育所調理業務委託』に係る視察報告について」と題する文書(資料10)

(11) 「戸田市立保育園給食調理業務委託化による受託業者との業務の引継ぎをする確認行為の方策について」と題する文書(資料11)

 なお、各請求文書と各資料の照応関係は、次の通りである。

ア 請求文書1に該当するのは、資料1である。

イ 請求文書2に該当するのは、資料7である。

ウ 請求文書3に該当するのは、資料4、5、7及び11である。

エ 請求文書4に該当するのは、資料4、8及び10である。

オ 請求文書5に該当するのは、資料3、4及び11である。

カ 請求文書6に該当するのは、資料2、5、6及び7である。

キ 請求文書7に該当するのは、資料9である。

 そこで、以下、資料1から11について、順次非公開事由の該当性の存否について個別に検討する。

(2) 資料1について

 まず、市は、資料1について、議会の審議が行われていることを理由として、条例第8条第4号に該当する旨を主張するので、この点について検討する。

  資料1は、請求文書1に該当するものであるが、『お知らせ』に「下記の内容で実施いたします」と記載されていることから、2001年(平成13年) 1月9日の時点では、実施機関としての市が市立保育園給食の民間委託を実施するか否かについての意思決定の過程における情報ではなく、意思決定の結果についての情報である。確かに、現に市立保育園給食調理業務が実施されるためには、議会がこれにかかる予算を審議し、議決することが必要であるが、これは、市の執行機関が意思決定を終えた後に、市の議決機関である議会が独立して審議し、意思決定を行うということであって、実施機関としての市と議会との間において審議、協議等が行われるものではない。なお、仮に、市と業者との間で現実具体的に契約が締結されるまでを一つの意思決定過程とみるとしても、公開することにより、公正又は適正な意思決定に著しい支障が生ずると明らかに認められる特段の事情はない。したがって、資料1は、条例第8条4号に該当するものではない。

 また、市は、資料1について、人事情報であることを理由として、条例第8条第5号に該当する旨を主張するので、この点についても検討する。

 資料1には、職種別職員の採用計画、職種別退職予定者リストなど、人事管理に関する情報が含まれるため、このような情報を公開するとすれば、当該事務事業の公正かつ適正な執行を著しく困難にするおそれがあると認められるから、資料1をすべて公開するのは適当ではないと考えられる。さらに、異議申立人が情報公開を請求した趣旨も、このような情報を公開することまで求めているのではないと考えられる。

 なお、市は、条例第8条第6号の該当性について主張をしてないが、資料1の表紙(「起案書」と題するもの)には、いわゆるマル秘印が押印されており、本号の該当性 についても問題となるので、以下当審査会の職権により判断する。

 地方公務員法第34条第1項により地方公務員には守秘義務が課されているため、資料1を公開することはこれに反し、条例第8条第6号に該当する可能性はあるが、同法における「秘密」とは、「非公知の事項であって、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるもの」(最決昭和52年12月19日刑集31巻7号1053頁)と解すべきであって、「2000年度(平成12年度)度第5回定例会(12月議会)戸田市議会会議録」において、戸田市定員管理適正化計画について概要が記載されている以上、「秘密」とはいえない。したがって、条例第8条第6号には該当しない。

 結局、資料1については、表紙を第1頁として第9頁まで(「定員適正化計画の策定にあたって【戸田市定員適正化計画説明資料】」と題するものの第4頁まで)を公開すべきものと思料する。

(3) 資料2について

 市は、資料2について、議会の審議が行われていることを理由として、条例第8条第4号に該当する旨を主張するので、この点について検討する。

  資料2は、請求文書6(2)に該当するものであるが、市立保育園給食調理に係る費用を示したものであり、意思決定過程における情報ではなく、客観的にある事実の報告に過ぎない。また、仮に、予算の調製又は予算の審議及び議決に関する参考情報であるとしても、公開することにより、公正又は適正な意思決定に著しい支障が生ずると明らかに認められる特段の事情も存在しない。したがって、条例第8条第4号には該当せず、資料2はすべて公開すべきものと思料する。

(4) 資料3について

 市は、資料3について、条例第8条第4号に該当する旨を主張するので、この点について検討する。

 資料3は、請求文書5に該当するものであるが、実施機関としての市が市立保育園給食の民間委託の実施を意思決定したうえで、それに際して市が調整すべき事項について記載された情報であり、議会の審議とは関係がない。また、市と県との協議、検討等に関する情報に該当するが、公開することにより、公正又は適正な意思決定に著しい支障が生ずると明らかに認められる特段の事情も存在しない。

 しかし、資料3のなかには、市が県以外の他の地方公共団体との信頼関係に基づいて入手した情報も含まれているため、資料3に記載されている地方公共団体の名称を公開すれば、今後、十分な資料が得られなくなるおそれがあると認められる。また、職員団体との折衝についての情報も含まれており、これを公開するとすれば、率直な意見交換又は意思決定の中立性が損なわれるおそれあると認められる。したがって、資料3のうち、他の地方公共団体名及び職員団体との折衝の内容等が記載されている部分は、市の主張の通り、条例第8条第5号に該当し、これらを公開するのは適当ではないと考えられる。

  結局、資料3については、表紙(「起案書」と題するもの)を第1頁として、第3頁の第12行から第16行までの部分、第4頁並びに第5頁において県以外の他の地方公 共団体の名称が記載されている部分、及び第6頁の第17行以下(「5.『保育園給食調理の委託化について』の事務折衝について」)の部分を除いて、公開すべきものと思料する。

 市は、資料4について、条例第8条第4号及び第5号に該当する旨を主張するので、この点について検討する。

(5) 資料4について

 資料4は、請求文書3(1)及び5に該当するものである。 まず、請求文書3(1)に該当する部分は、表紙(「起案書」と題するもの)を第1頁として第9頁(「給食調理業務委託化事務スケジュール」と題する文書)及び第10頁(「委託化する上での問題点」と題する文書」)である。スケジュールについて3種の代替案が記載されていることなどのことを考慮すると、これらは、本件非公開決定がなされた2001年(平成13年)2月22日の時点では、市の主張の通り、意思決定過程における未成熟な情報であって、公開することにより、民間委託の実施に支障をきたすおそれがあったといえる余地がある。しかし、市の意見陳述によれば、同年3月12日には市長決裁により受託業者が内定したというのであるから、少なくとも、同日以降は、公開することにより、公正又は適正な意思決定に著しい支障が生ずると明らかに認められる特段の事情や、公正若しくは適正な事務の執行に著しい支障が生ずると明らかに認められる特段の事情も存在しない。したがって、条例第8条第4号及び第5号に該当しない。

 また、請求文書5に該当する残余の部分については、「(4) 資料3について」における所論の通りであって、資料4に記載されている地方公共団体の名称及びその担当者名を公開することは適当ではないが、これ以外については、公開することにより、公正又は適正な意思決定に著しい支障が生ずると明らかに認められる特段の事情も存在しない。

 結局、資料4については、表紙を第1頁とし、第5頁から第8頁(「保育園調理の業務委託方式の問題と回答等について」と題する文書)において地方公共団体の名称及びその担当者名が記載されている部分を除いて、公開すべきものと思料する。

(6) 資料5について

 資料5は、請求文書3(2)及び6(1)に該当するものであるが、請求文書3(2)に該当する部分法人情報であることを理由として、条例第8条第2号に該当する旨を主張するので、この点について検討する。

 資料5の第2頁の表は、戸田市が市立保育園給食調理業務の民間委託化について予算見積りを徴収した相手方が記載されており、当該法人の営業・販売活動の状況に関する情報ではあるが、これを公開しても、当該法人の競争上の地位に著しい不利益を与えるおそれがあるとは認められない。しかし、営業担当者名が手書きで書き加えられている部分があり、これらは当該法人の人事に関する情報であって、これを公開するとすれば、当該法人の事業活動上の利益が明らかに損なわれると認められる。なお、異議申立人が情報公開を請求した趣旨も、このような情報を公開することまで求めているのではないと考えられる。したがって、資料5の第2頁の表のうち、営業担当者名が手書きで書き加えられている部分を公開するのは適当ではないと考えられる。

 しかし、請求文書6(1)に該当する残余の部分については、「(3) 資料2について」における所論の通りであって、条例第8条第4号に該当しない。

 また、市は、契約の締結前であることを理由として、条例第8条第5号に該当する旨を主張するので、この点についても検討する。

 請求文書6(1)に該当する部分については、2001年度(平成13年度)予算当初内示額が記載されているが、これが公開されたとしても、契約の締結に際して入札価格の上限が直ちに推知されるなど、市立保育園給食調理業務の民間委託契約の公正若しくは適正な執行に著しい支障が生ずると明らかに認められる特段の事情はない。したがって、条例第8条第5号に該当しない。

 結局、資料5については、表紙を第1頁とし、第2頁の表のうち営業担当者名が手書きで書き加えられている部分を除いて、公開すべきものと思料する。

(7) 資料6について

 資料6は、請求文書6(2)に該当するものであるが、「(3) 資料2について」における所論の通りであって、条例第8条第4号に該当せず、すべて公開すべきものと思料する。

(8) 資料7について

 資料7は、請求文書2、3(1)、3(2)及び6(1)に該当するものである。
 まず、請求文書2に該当する部分は、表紙(「起案書」と題するもの)を第1頁として、第15頁(「戸田市立保育園給食調理業務請負委託契約関係書類」と題する文書)から第79頁であるが、市は、契約の締結前であることを理由として、条例第8条第4号に該当する旨を主張するので、この点について検討する。

 資料2の第10頁から第79頁に記載された契約書・仕様書案は、検討中のものであって、本件非公開決定がなされた2001年(平成13年)2月22日においては、市が主張するように、内容が変更される可能性があったと認められ、かつ2001年(平成13年)3月13日に開催された2001年(平成13年)第2回戸田市議会定例会における厚生常任委員会に提出された資料(本資料は、委員会終了後回収されている。)におけるものと比較すると、現に内容が変更されている。しかし、これが公開されたとしても、誤解や憶測に基づいて市民の間に混乱を生じさせるなど、公正又は適正な意思決定に著しい支障が生ずると明らかに認められる特段の事情は存在しない。したがって、条例第8条第4号に該当しない。

 次に、請求文書3(1)に該当する第80頁については、「(5) 資料4について」における所論の通りであって、条例第8条第4号及び第5号に該当しない。

 また、請求文書3(2)に該当する第4頁の表については、「(6) 資料5について」における所論の通りであるが、年間売上高及び実績等の欄で具体的な取引先名が記載されている部分は、営業・販売活動上の秘密に関する情報であり、市の主張の通り、条例第8条第5号に該当し、公開することは適当でないと考えられる。

 そして、請求文書3(1)、3(2)及び6に該当する残余の部分については、「(3) 資料2について」及び「(5) 資料4について」における所論の通りであって、条例第8条第4号及び第5号に該当しない。

 なお、資料7の第1頁にはいわゆるマル秘印が押印されているが、条例第8条第6号に該当しないことは、「(2) 資料1について」における所論の通りである。

 結局、資料7については、表紙を第1頁とし、第4頁の表のなかで年間売上高の欄、 及び実績等の欄で具体的な取引先名が記載されている部分(日進医療食品株式会社北関東支店、株式会社トウエイ、株式会社ニッコクトラストの実績等の欄、並びにフジ産業株式会社の実績等の欄で地方公共団体の名称が記載されている部分)を除いて、公開すべきものと思料する。

(9) 資料8について

 資料8は、請求文書(4)に該当するものであり、他の地方公共団体への視察に参加した市立保育園9園の保育園長の感想が記載されている。これは、市の主張の通り、意思決定過程における参考情報であって、公開することにより、自由で十分な意見の表明が妨げられるおそれがあり、条例第8条第4号に該当する。また、視察先の地方公共団体の名称、保育園名及び園長名が記載されており、この点でも、「(4) 資料3について」における所論の通り、条例第8条第5号に該当する。なお、市はこれにあわせて人事情報である旨を主張するが、条例第8条第1号エでは、公務員の職務の遂行に係る情報に含まれる当該公務員の職名及び氏名は公開の対象とされていることなどから、視察への参加者名は人事情報とはいえない。

 結局、資料8については、市の主張の通り、すべて公開しなくても不当ではないと思料する。

(10) 資料9について

 資料9は、請求文書7に該当するものであるが、『お知らせ』によれば、市立保育園給食調理業務の民間委託及びその実施園については、2001年(平成13年)1月9日の時点で市の意思決定がすでに行われていたと認められることから、条例第8条4号に該当しない。また、資料9の第1頁にはいわゆるマル秘印が押印されているが、条例第8条第6号に該当しないことは、「(2) 資料1について」における所論の通りである。

 なお、市の主張するところではないが、表紙(「起案書」と題するもの)を第1頁として、第5頁は職員配置状況についての文書であり、2000年度(平成12年度)度末定年退職者が記載されているから、当審査会は、職権で条例第8条第5号に該当すると判断する。また、異議申立人が情報公開を請求した趣旨も、このような情報を公開することまで求めているのではないと考えられる。

 結局、資料9については、表紙を第1頁として第4頁までを公開すべきものと思料する。

(11) 資料10について

 資料10は、請求文書(4)に該当するものであるが、「(4) 資料3について」、「(5) 資料4について」及び「(6) 資料7について」における所論の通りであり、表紙(「起案書」と題する文書)を第1頁として、第1頁から第6頁、第21頁、第23頁から第28頁、第35頁から41頁、第46頁、第50頁から第51頁、第53頁において、地方公共団体の名称、担当者名、保育園名及び保育園給食調理業務代行候補 事業者名が記載されている部分を除いて、公開すべきものと思料する。

以上

(12) 資料11について

 資料11は、請求文書3(1)及び5に該当するものであるが、「(5) 資料4について」における所論の通りであり、すべて公開すべきものと思料する。

別紙 目録

ア 「戸田市定員適正化計画の策定について」と題する文書(2000年度(平成12年度)度戸田市情報公開審査会諮問第1号関係資料(以下、「資料」という。)1)の うち、表紙(「起案書」と題する文書)を第1頁として第9頁まで(「定員  適正化計画の策定にあたって【戸田市定員適正化計画説明資料】」と題する  ものの第4頁まで)

イ 「資料要求に対する回答について」と題する文書(資料2)

ウ 「『保育園給食の委託化』に関する埼玉県健康福祉部こども家庭課との事務打合せについて」と題する文書(資料3)のうち、表紙(「起案書」と題するもの)を第1頁として、第3頁の第12行から第16行までの部分、第4頁並びに第5頁において地方公共団体の名称が記載されている部分、及び第6頁の第17行以下(「5.『保育園給食調理の委託化について』の事務折衝について」)の部分を除いた部分

エ 「保育所給食業務委託に関する行政視察の結果報告及び今後の方針について」と題する文書(資料4)のうち、表紙(「起案書」と題するもの)を第1頁とし、第5頁から第8頁(「保育園調理の業務委託方式の問題と回答等について」と題する文書)において地方公共団体の名称及びその担当者名が記載されている部分を除いた部分

オ 「市立保育園給食調理業務委託に伴う見積もり徴収について」と題する文 書(資料5)のうち、表紙(「起案書」と題するもの)を第1頁として第2頁の表ののうち営業担当者名が手書きで書き加えられている部分を除いた部分

カ 「保育園給食にかかる経費比較(見込み)」と題する文書(資料6)

キ 「保育所調理業務委託の実施について」と題する文書(資料7)のうち、表紙(「起案書」と題するもの)を第1頁とし、第4頁の表のなかで年間売上高の欄、及び実績等の欄で具体的な取引先名が記載されている部分(日進医療食品株式会社北関東支店、株式会社トウエイ、株式会社ニッコクトラストの実績等の欄、並びにびフジ産業株式会社の実績等の欄で地方公共団体名が記載されている部分)を除いた部分

ク 「保育園給食調理業務委託の実施園について」(資料9)のうち、表紙(「起案書」と題するもの)を第1頁として第4頁までの部分

ケ 「『保育所調理業務委託』に係る視察報告について」と題する文書(資料10)のうち、表紙(「起案書」と題する文書)を第1頁として、第1頁から第6頁、第21頁、第23頁から第28頁、第35頁から41頁、第46頁、第50頁から第51頁、及び第53頁において、地方公共団体の名称、担当者名、保育園名及び保育園給食調理業務代行候補事業者名が記載されている部分を除いた部分

コ 「戸田市立保育園給食調理業務委託化による受託業者との業務の引継ぎをする確認行為の方策について」と題する文書(資料11)

 なお、各請求文書と各資料の照応関係は、次の通りである。

(1) 請求文書1に該当するのは、資料1である。

(2) 請求文書2に該当するのは、資料7である。

(3) 請求文書3に該当するのは、資料4、5、7及び11である。

(4) 請求文書4に該当するのは、資料4、8及び10である。

(5) 請求文書5に該当するのは、資料3、4及び11である。

(6) 請求文書6に該当するのは、資料2、5、6及び7である。

(7) 請求文書7に該当するのは、資料9である。

以上

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