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めるまが73(2017年5月10日配信)

掲載日:2017年6月2日更新

~今月の目次~
(1)政策形成アドバイザーの徒然
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
(3)戸田のここに注目!
(4)戸田ゼミの取り組み

(1)政策形成アドバイザーの徒然

シビルミニマムとシビルマキシマム

今年度のめるまがは、地方創生時代における重要なキーワードを紹介していきます。第1回目に言及したいのは「シビルミニマム」(civil minimum)と「シビルマキシマム」(civil maximum)です。これらの言葉を耳にした読者も多いと思います。私がはじめて耳にしたのは、2000年頃に沢田秀男・横須賀市長(当時)の発言です。沢田氏は、よく「これからの時代はシビルミニマムではなくシビルマキシマムが求められる」と言っていました。
シビルミニマムは、ナショナルミニマム(national minimum)の概念を参考に登場した考えです。ナショナルミニマムとは「政府が国民に対して保障する生活の最低限度」を意味します。そこからシビルミニマムとは、地方自治体が住民のために保障しなければならない最低限度の生活環境になります。そのため、全国どの自治体でも同じ水準の画一的な行政サービスの提供が目標とされました。住民はどこに住もうと大きな変化はありませんでした。
シビルマキシマムとはシビルミニマムと対極的な考えです。沢田氏は「地域は『差別化戦略』により、『これだけはよそに負けない』『うちはこれで勝負する』というものを創出する。それは、地域の個性を最大限に表すものという意味で『シビルマキシマム』といえるだろう」と述べています(沢田秀男(2001)「均衡ある発展は終わった」『Voice2001年6月号』Php研究所)。シビルマキシマムは「個別性かつ柔軟性を持った行政運営」とも言えるでしょう。
ちなみにマキシマムとは「最大の、最高の、最大限度の」という意味です。住民にとって最大限度の価値を提供する行政運営を目指すことになります。もちろん、すべての政策において最大限度を目指すことは行政資源の関係から不可能です。そこで沢田氏の言う「差別化戦略」が求められるわけです。何かの政策に特化し、「これだけはよそに負けない」という発想で行政運営を進めていかなくては、地方創生の時代に埋没してしまうかもしれません。
先日、沢田氏にお会いする機会がありました。横須賀市長をお辞めになり、もう12年ほど経過しています。もう80歳半ばでしょうか。とてもお元気なご様子でした。沢田氏が発言していた状況に、地方自治も変化しつつあるような気がします。私はシビルミニマムがいいのか、シビルマキシマムがいいのか分かりません。ただ現実的には、シビルマキシマムの地域づくりでないと、地方創生の中では持続性はないような気もしています。

(政策形成アドバイザー 牧瀬 稔)

(2)戸田市政策研究所の活動紹介

設置から10年目を迎えた「戸田市政策研究所」

戸田市政策研究所は2008年4月1日から活動を開始し、今年度で10年目を迎えています。これまで2008年度から2012年度を「基盤づくり期」として体制整備や認知度向上に努め、2012年度からは「発展期」と位置づけて研究成果の事業化や研究スキルの向上、職員の更なる政策形成能力の向上を目指して取り組んできたところです。
昨年度は、10年目以降の新たなステージを見据え、政策研究所の過去の活動を振り返りました。そこで、今回は政策研究所の過去の実績を少しだけ紹介させていただきます。
政策研究所は、市政に関する総合的な調査研究を行うために設置していますので、調査研究をまずはしっかりと実施しなければなりません。昨年度までの調査研究としては、ちょうど30テーマを扱っており、その内15テーマで事業化(計画等への反映を含む。)が行われています。また、事業化に至らなかった調査研究成果においても、担当部署の事務の参考として活かされています。
このように、調査研究から施策化・事業化されていることが政策研究所の特長の一つと言えますが、ここ何年かは中長期的な調査研究が多くなり、課題として扱うテーマも複雑なものばかりとなってきました。今後、中長期的な課題に対する「政策研究」だけでなく、施策化・事業化を目指して取り組む「政策企画」も充実させていきたいと最近は感じているところです。
今年度は、設置から10年目の節目の年です。そこで、今年度は11年目以降の中長期的な活動の方向性について検討し、今まで以上に存在価値のある政策研究所を目指していきたいと考えています。

(主任研究員 長谷川 昌之)

(3)戸田のここに注目!

戸田市はネーミングライツの導入を積極的に推進しています

戸田市では、2016年3月に「戸田市ネーミングライツ導入ガイドライン」を策定し、安定的な財源確保による施設の良好な運営と、民間の資源やノウハウを活用した施設の魅力やサービスの向上を目指しています。この度、戸田市として初めてネーミングライツを導入した市内の道路2路線で、多くの市民の皆さんが参加する中、盛大にお披露目されました。
ネーミングライツは、パートナーとなった企業や団体の広告の機会を拡大するとともに、市は命名権料による長期間、継続的な収入を得ることができます。戸田市では引き続きネーミングライツの導入を積極的に推進していきます。
パートナー企業やネーミングライツ契約発表会の様子など、詳しくは下記ホームページをご覧ください。

(戸田市ホームページ)
http://www.city.toda.saitama.jp/soshiki/273/doro-name-teiketu.html

(政策秘書室 柄澤 映)

(4)戸田ゼミの取り組み

戸田市政策研究所では、職員一人ひとりの政策形成能力の向上を目指し、庁内自主勉強会「戸田ゼミ」を開催しています。今年度、10年目となるこの勉強会は、参加希望者を対象に月1回程度開催しています。
昨年度は「地域のことを知る」という大きなテーマを設定し、全9回実施しました。初回は、政策形成アドバイザーによる「戸田づくり」という演題で、将来推計人口や将来都市像などの講義を行いました。第2回以降は、ゼミ参加者による地域の課題に関する議論や地域金融機関による公開講座、行員との意見交換会、地域経済分析システムを活用した現状把握などを実施し、これまで接する機会の少なかった地域経済を中心に学びました。さらに、最終回では、政策研究所長である副市長とゼミ参加者による意見交換会を実施したところです。
さて、今年度も、5月から2月まで全9回の開催を予定しています。第1回は5月26日(金曜)午後6時から「おしゃれ」をテーマとして、皆さんそれぞれが考える「おしゃれ」について、率直に話し合います。
第2回以降は、第1回の内容を踏まえて、ゼミ参加者と共に考え、試行錯誤しながら開催していく予定です。また、本年度は日本都市研究センターとの共同研究として「おしゃれ」について研究する予定ですので、その議論との連関も視野に入れたいと考えています。
なお、この戸田ゼミでは、他自治体職員や民間企業の方との交流の場としても機能しています。参加を希望される方は、お気軽にご連絡ください。

(政策秘書室 有吉 正憲)

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