市では、花や野鳥などさまざまな生きものと共生していく「生物多様性(生きものとのつながり)」を大切にし、緑と笑顔があふれるまちづくりを進めています。
この度、全国初となる生物多様性に優れた自治体ランキングで、自治体の生物多様性保全の取組状況を評価する指標群で戸田市が全国1位になりました。今回は、ランキングで評価された市の取り組みなどを紹介します。
生物多様性に優れた自治体ランキングとは?
このランキングは、2016年11月に国土交通省が公表した「都市の生物多様性指標(簡易版)」に基づき、同指標の収集が可能であった665の自治体を対象に、生物多様性の保全に向けた取組状況の評価分析が行われ、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社および都市の生物多様性指標研究会によりランク付けされたものです。
(注釈)神奈川県川崎市、兵庫県神戸市・伊丹市が同率1位
戸田ヶ原自然再生事業
かつて戸田を代表する自然であり、ふるさとの原風景であった「戸田ヶ原」を取り戻そうと、自然再生に取り組んでいます。市の花であるサクラソウを始めとしたさまざまな生きものを呼び戻し、人と自然がつながるまちづくりを進めています。
本事業は、2007年度の基礎調査からスタートし、今年度で10年目を迎えました。
一度失われた自然を再生するには、大変長い時間がかかりますが、たくさんの人にご協力いただき、着実に成果が出てきています。
「生物多様性」ってなに?
人間を含め、私たち生きものは自分一人だけで生きていくことはできません。多くの生命は他のたくさんの生きものと直接かかわり、初めて生きていくことができます。このかかわりをたどっていけば、地球上に生きている生きものたちが、全て直接または間接的につながり合っていることがわかります。この生きもののつながりを「生物多様性」といいます。
自然を守るためのさまざまな取り組み
水と緑のネットワーク形成プロジェクト
市では、国や県と共に地域に点在する緑地や水辺をつないで、鳥や虫を呼び込み、自然との共生を図るプロジェクトに取り組んでいます。
緑の外環道事業
水と緑のネットワーク事業の重点地区になっている美女木地区を対象として、国、県、市の協力で、同地区を横断する東京外かく環状道路の側道にある遮音壁の壁面緑化や、景観樹木による環境美化を進めています。
どんぐりの森づくり事業
2011年度に子どもたちがどんぐりを拾い、苗木に成長したものを、近隣住民と共に(仮称)荒川水循環センター上部公園へ植樹しました。
とだグリーンウェイブ
5月22日の「国際生物多様性の日」を中心に生物多様性保全のための行動を呼びかける、世界共通のキャンペーンです。国内では、3月1日~6月15日の期間で行動が呼びかけられています。
市でも、期間中、苗木の配布や生物多様性に関連する活動をした団体を市ホームページで紹介しています。
今年は、17団体131人の申請に応じて、91本の苗木を配布し、植樹活動に参加していただきました。
戸田ヶ原自然再生エリア第1号地の取り組み
サクラソウについては、戸田ヶ原自然再生エリア第1号地において、2009年度に初めて600株を植栽して以来、2017年度4月時点で約15,000株の生育株数になりました。
また、サクラソウ以外にも、野の草花のイヌヌマトラノオやノカンゾウなども成育し、季節ごとに見ごたえがあります。
今後も皆さんと協力して、自然再生事業に取り組んでいきます。